雨のち晴れ

自由帳

ADHDを否定して受容する

こんにちは。

下記のブログと被るところもありますが、今回はADHDの受容という点から簡単に書いてみました。

 

yuki-h.hatenablog.com



<知能検査WAIS-Ⅲを受ける前に>

主治医からは「たっちさんはほぼ間違いなくADHDだから知能検査WAIS-Ⅲ(以下知能検査)を受ける前に薬の処方が可能だけどどうする?」と聞かれました。おそらく、知能検査の生育歴聴取の段階で主治医は僕がADHDであることを確信していたんだと思います。また、ADHD双極性障害と併存する確率が高い精神障害なのでそう言ったのでしょう。

しかし、僕は薬の処方を知能検査の結果が出るまで保留にしました。主治医は今現在の僕のADHDによる困りごとを早急に改善してくれようとしたんだと思います。保留にした理由は、やはり知能検査を受けて「ADHDではなかったらどうしよう」という気持ちが強かったからです。もしかして、性格の問題なんじゃないかとか色々と考えていたので、結果が出ない段階でのストラテラコンサータといったADHD治療薬を服用することにためらいがありました。

<知能検査の結果がわかって>

ADHDの目安とされるディスクレパンシー(各項目ごとの指数の差)15です。僕の知能検査の結果は30ありました。ディスクレパンシーが30あると生活や仕事をする上での困りごとが多く、その困りごとに対処するために臨床心理士公認心理師が行う心理カウンセリングの適用も難しいものになってくるようです。しかし知能検査をしてくれた臨床心理士は「僕の友達や専門職に就いている人の中にはたっちさんみたいな人たくさんいますよ」と教えてくれました。この一言がとても救いになったのを強く記憶しています。

<結果の受容と否定>

いままで、何事も続かないでいたりしたので自己嫌悪に陥っていました。知能検査を経てADHDと確定診断がでた時は、今までの困りごとがADHDによるものだと分かって自分の努力不足や不勉強のせいじゃないんだと分かったときは安心しました。「僕は自分の置かれた状況で頑張ったんだ」という自己確信を得られました。

一方で、「ADHDじゃなかったらもっと良い人生があったんじゃないか」「もっとレベルの高い大学で勉強することができたんじゃないか」など「ADHDじゃなかったら思考」を強く抱くようになりました。この思考のせいで抑うつ的な気分になるほどです。詳しい知能検査の結果は割愛しますが、唯一指数が高かったのが言語理解でした。他は...。そういうのもあり、とにかく落ち込みました。こんなんで大学院に進み研究ができるのか、その先も実践と研究を継続できるのか。

<撤回と再出発>

大学院に行く、という目標はいったん下げることにしました。障害者就労を目指しました。主治医は「たっちさんの性格や特性をみると障害者枠で就職するよりも大学院へ進み専門職として働いた方が合っている」と僕の選択に難色を示しました。主治医のアドバイスはとても的を射たものだと思っていました。しかし、ADHDと診断がでた当時の自分には「ADHDだから無理なんだ」と他の良いところが見えなくなっていました。「ADHDじゃなかったら思考」に「ADHDだから無理なんだ思考」が加わりました。

このころの自分はなにかと「ADHDだから無理」と言っていました。自分に自信が無くなってしまったというか。おそらく、障害者手帳の交付も重なって強くそう思ったのかもしれません。転機は大学の法哲学授業でした。その時の先生が僕の小レポートや課題レポートをとてもよく書かれていると褒めてくださいました。その時に「自分でも得意なことがる。できないことばかりじゃない」と認識しました。ちなみに、この時の先生とは大学を卒業した現在でも繋がりがあり法哲学について疑問点があるとメールを送ったりしています。

自分が苦手なことやできないことはたくさんあるかもしれない。しかし、それ以上にできることもたくさんあるかもしれない。だったら、自分ができると思う道を進んでみようと再び大学院進学への道を歩み始めました。

<まとめ>

ADHDを受けれられるまで2〜3年くらいの時間がかかりました。まだ、完全には受け入れられていませんが。でも、診断当初よりは受け入れられたと思います。ブログにするとあっという間ですね笑。

今でも「ADHDじゃなかったら思考」「ADHDだから無理なんだ思考」がやってきますが、診断当時よりは僕に対して負の影響を与えにくくなっているのかなと思います。むしろ、この2つの思考が良い意味で原動力になったり新しい発見を与えてくれたりします。次はそのことについて書きますね^ ^

<注意点>
僕が受けた知能検査はWAIS-Ⅲです。現在は最新版のWAIS-Ⅳがでています。よって、検査内容等が全く異なります。例えば、WAIS-Ⅲでは「言語性IQ」「動作性IQ」などがありましたが、WAIS-Ⅳではなくなっています。