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教育における暴力的指導(体罰)がなぜだめなのか

こんにちは。

www.fnn.jp

 

このニュースが話題になっていますね。

教育における暴力的指導、いわゆる体罰です。僕はなるべく「体罰」とは言わないようにしています。「体罰」は正当な罰ではなく違法行為だからです。しかし、今回はニュースで「体罰」という言葉が使われているので、以下から表記を「体罰」に統一して書きたいと思います。

今回の事例は、生徒が教師を挑発するような暴言を吐いて、それに怒った教師が生徒を殴ったとのことで教師だけでなく生徒に対しても非難が巻き起こっています。例えば、体罰を行なった教師に寛大な処分を求める署名サイトまで立ち上がったり...。

果たして、教師が行なった体罰は許されるものなのでしょうか?生徒に処分を下さなくて良いのでしょうか?僕は、当然に教師は懲戒処分がなされるべきであるし、同様に生徒に対してもなんらかの処分を行うべきだと考えています。

ここから体罰がなぜだめなのかを法律と心理学の側面から考えてみます。

体罰は学校教育法11条但し書きで「但し、体罰を加えることはできない」と禁止しています。体罰の肯定・否定以前の問題で体罰は明確に禁止されています。つまり、教師は体罰を行なった時点で法律を犯したことになるのです。また、体罰の程度が重く児童生徒を怪我をさせた場合は、暴行罪、傷害罪に問われる可能性も十分にあります。教育のためと言えども人を殴るわけですから、罪に問われるのは当然のことでしょう。

心理学的な面においては、日本行動分析学会が『「体罰」に反対する声明』 http://www.j-aba.jp/data/seimei.pdf を出しています。科学的なエビデンスに沿ってなぜ体罰に反対するのかを丁寧に書いています。例えば、体罰を行うと、「強い苦痛刺激によって攻撃行動が自発する。攻撃行動の対象は「体罰」を与えた人とは限らない」「繰り返しの苦痛刺激を与えられることで耐性が上がり、同じ効果を得るためにより強い刺激を使わなければならなくなる」など行動分析学の立場から述べています。つまり、体罰が行われると、体罰を受けた児童生徒は体罰を行なった教師や自分よりも立場が弱い児童生徒に対して攻撃行動が自発されやすくなる。また、繰り返し体罰を受けると体罰に対する耐性がついてしまい体罰によって同様の効果を得るためにより強い体罰を使わなければならなくなるなど体罰のデメリットが挙げられています。

たしかに、体罰を行うとその時は効果があるかもしれません。しかし、それは大抵一時的だったり長期的にみると教師と児童生徒にとってマイナスなことかもしれない。